ポール・トーマス・アンダーソン6作目の作品

ポール・トーマス・アンダーソン監督の6作目となった『ザ・マスター』でヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を獲得しました。そしてヴェネツィア国際映画祭最優秀男優賞を、マスターを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンとフィリップを演じたホアキン・フェニックスが受賞しました。批評家達の評判も上々で「知性的で、美しい映像と力強い演技」と評されました。ストーリーの軸には、ザ・マスターとフィリップそしてマスターの妻ペギーの三角関係になっていますが、主人公のフィリップは人生のいろんなことから逃げ出しているいわば迷える子羊で、そんな彼がただひたすらに信じたザ・マスターはいばわ父親のような存在として描かれています。

超個性派であり、演技派同士のぶつかりあう演技は最高の組みあわせです。そして映画を観終わった後に、残像としていつまでも自分自身でいろいろその後を考えさせられる映画を作り出す、フィリップ・シーモア・ホフマンらしい作品となっています。

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若き巨匠ポール・トーマス・アンダーソン

今回も船の上であったり、キャベツ畑を疾走するシーンであったり大胆なカメラワークと視覚効果で、とても美しい映像になっています。それでいて、ぐいぐい映像にも画面に引き込まれてそして役者2人のぶつかり合いの演技にもぐいぐいひかれていきます。今回の映画を撮影するにあたって使った撮影フィルムは65mmですが、クラシカルでいて鮮やかな色調のフィルムになっていて1950年代が映像でもあふれ出しています。いろいろなフィルムで撮影した結果、その当時撮影されたフィルムでの画像がいちばんピッタリだったから選んだと語っていますが、年代をイメージしやすくなっています。

今回の「ザ・マスター」が6作目と、たくさん監督として扱った作品が多いとはいえませんが”若き巨匠”といわれるだけあり、わずか6作品で世界三大映画祭「カンヌ国際映画祭」「ベルリン国際映画祭」「ヴェネツィア国際映画祭」のすべてで監督賞に輝いているとても異色な監督といえるでしょう。

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キャリア

1970年6月26日にカリフォルニア州ロサンゼルス出身ですが、父親は俳優であり司会業をしているアーネルト・アンダーソンです。兄弟は9人兄弟で、ポール・トーマス・アンダーソンはその中の3番目です。そして父親ととても仲が良く、早くも12歳でビデオカメラを買っています。そして将来的に映画監督になりたいとい息子の思いを、父親から支援されていました。

脚本を書き始めたのは、ティーンエイジャーの頃と早い段階から書き始めています。そして進学したのはニューヨーク大学ですが、入学してもすぐに中退しています。その後はテレビ番組のプロダクション・アシスタントなどを経て、短編映画を製作するようになりました。

1992年に撮った短編『シガレッツ&コーヒー』が、早くもサンダンス映画祭で注目されることになります。そしてこの作品で注目されたことで、ハリウッドから声がかかります。そして初めて監督した作品はサスペンス映画で1996年『ハードエイト』です。この作品は第49回カンヌ国際映画祭のあらゆる種類のヴィジョンやスタイルをもっている独自で得意な作品群が集まる「ある視点」部門に出品されています。

そして監督としての2作目は、まだポール・トーマス・アンダーソンが10代の頃に書いた短編『The Dirk Diggler Story』を、新たに長編に作り直してポルノ業界で生きる人々の光と影を描いた1997年『ブギーナイツ』です。『ブギーナイツ』は、1970年代末から1980年代にかけてのポルノ業界の光と影にスポットライトを当てた作品でになっていますが、公開された当時は一部で内幕モノになっていて監督と主演俳優の確執そして作品の中でも特に、主役のエゴを描いた事から、1973年のフランス長編映画の「映画に愛をこめて アメリカの夜」を思わせるものだとされて、ポルノ業界版の「アメリカの夜」とも言われました。

『ブギーナイツ』はとても高く評価されて、批評家からの支持率は92パーセントにも達しています。このスマッシュヒットで助演男優賞・助演女優賞などのゴールデングローブ賞や全米映画批評家協会賞などを受賞していますが、脚本も手がけたポール・トーマス・アンダーソンは脚本家として、第70回アカデミー脚本賞にノミネートされています。

3作目ではハリウッドを代表するトップスターのトム・クルーズを起用した作品の『マグノリア』が撮影されていますが、トム・クルーズが『ブギーナイツ』を観たことでトムのほうからポール・トーマス・アンダーソンに会いたいという連絡があり、監督の方もいつかトム・クルーズと仕事をしていみたいと思っていたことから、『マグノリア』の作品にトム・クルーズが出演することになりました。

今までとは違うトム・クルーズらしくない役を書こうと、トム・クルーズのために描いた役柄が”セックスにとり憑かれた過激な教祖”ですが、いつものトム・クルーズとはまったく違うトム・クルーズの怪演は話題にもなりました。3時間を超える長編ということもあって、興業的にはイマイチでしたが、伝説的なカルト映画としてとても高い人気があるだけではなく、批評家達からの高い評価を受けました。そして世界三大映画祭のひとつベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しました。

4作目の作品は2002年のロマンティック・コメディ映画の『パンチドランク・ラブ』です。主演にはコメディアンのアダム・サンドラーですが、コメディアンとしての彼のいつもの映画とは違った一面をこの映画で引き出さしたといわれています。アダム・サンドラーは悲壮感を抱えた男性をシリアスにそしてユーモラスに演じて高い評価を受けました。そしてこの作品で、三大映画のひとつカンヌ国際映画祭監督賞を受賞しています。

5作目はアプトン・シンクレアの『石油!』を原作にした『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』です。主演は石油王を演じたダニエル・デイ=ルイスですが、公開された2007年のアメリカの主要映画賞を総なめにした大ヒット作品となりました。他にも、第80回アカデミー賞最多となる8部門にもノミネートされました。残念なことに、作品賞と監督賞は『ノーカントリー』に奪われたましたが、イギリスのトータル・フィルム誌などは「200年代最高の映画」と、高く評価する批評家も多くいました。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ですが、三大映画のひとつのベルリン国際映画祭監督賞そして、全米映画批評家協会賞などを受賞しています。

そして6作目となったのがこの作品『ザ・マスター』です。この作品でポール・トーマス・アンダーソン監督は三大映画祭の最後となる、ヴェネツィア国際映画祭監督賞を受賞します。ホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンが同じくヴェネツィア国際映画祭監督賞を受賞しました。

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ポール・トーマス・アンダーソン監督6作品目『ザ・マスター』

この作品は二人の個性派俳優が見事な演技でぶつかり合います。映画を観た後にどんな風に思うのでしょうか?

ポール・トーマス・アンダーソン監督6作品目『ザ・マスター』